遣唐使の町鹿児島県坊津町
鹿児島県坊津(ぼうのつ)町をご存知ですか?
薩摩半島の西南端に位置する、今は何の変哲も無い小さな漁村。
時代をさかのぼること、1,250年前。天平時代(753年)に
唐の高僧・鑑真大和上と随員の一行が、艱難辛苦の末、
ここ坊津の港に上陸したのです。
そう、この港は、当時は遣唐使が中国に旅立つ国際港であり
中国から帰国した時、最初に日本の足を踏む土地でもあったのです。
そして、大陸からの文化が琉球を経由して日本に伝えられ、
焼酎の技術も、ここから薩摩全土に広まっていったのです。
その後は、日本三津(他は今の福岡県福岡市と三重県津市)の
第一港として自由貿易を通して栄えましたが、
享保年間、鎖国政策をとる江戸幕府の厳しい取り締まりにより
繁栄は、幕を落とすことになったのです。
鑑真大和上、日本入国までの航路図
坊津から車で1時間。
焼酎杜氏の里「黒瀬」 「杜氏の里・焼酎造り伝承展示館」
鹿児島の焼酎はサツマイモが原料になります。
米の収穫より時期が少し早い。耕地が狭く、水田の少ない農家の人は、
昔は男も女も暇な時期、出稼ぎに出ました。
たまたま焼酎屋に入ったものが、身内の者を加勢に呼んだ事が重なって
杜氏の里が作られていったのです。
鹿児島には、杜氏の里が二ヶ所あります。
薩摩半島の阿多(日置郡金峰町)と黒瀬(川辺郡笠沙町)です。
杜氏の人数が最も多かったのは、昭和35年で、黒瀬370人、阿多120人。
平成11年では、黒瀬50人弱、阿多にいたってはわずかに5人。
黒瀬の属する笠沙町は、黒瀬の杜氏衆が長年焼酎業界で果した役割を高く
評価し、これを記念して平成5年に黒瀬の一角に見学用の「杜氏の里・焼酎造り
伝承展示館」をつくりました。
焼酎の歴史を分りやすく、映像で紹介しています。
又、昔ながらの製造方法で造られるいも焼酎は、絶品で予約制とのことです。
杜氏の里より車で北へ1時間
玄米焼酎の蔵「小正醸造さん」を訪問して
創業・明治16年
<経営理念>
安らぎと健康創造と言う使命にたち、自然と共に、人と共に心潤う喜びの時を
いつまでも創り続けたい。
<歴 史>
1950年から本格的に熟成焼酎の造りに取り組む。
当時、まだまだ物が不足している時代に「小正の道楽」と同業者から言われた。
今になっては「先見の明有り。」
当店の玄米焼酎も熟成ならではの旨さがひかり、沢山の消費者に支持される要因
になっています。
「師魂蔵」の中
ずらっと並んだカメ壷(720g入り) 復元した木桶蒸留器 蒸留液が壷に垂れる。
*氏記念館のチケットのイラストを御覧になってください。
このようにしてモロミを仕込みます。
そして、地下の貯蔵庫にて熟成されます。
<かめ仕込みの特長とは>
@ かめのセラミック効果(通気・磁性等)による「口当たりの柔らかさ」
A 地下に埋められたカメの部分の形が丸くなっているため、モロミの対流効果がある。
B 仕込み量が少なく、カメが土中のため低温発酵である。
C モロミが少量で蒸留期間が短く酒質が安定する。
<焼酎麹菌>
@ 日本酒は黄麹で、焼酎は黒麹と白麹が使われます。
その違いは、麹が造り出すクエン酸の産出量によります。
暑い地域の酒造りは、モロミの管理が非常に難しいため、(腐造防止のため)
焼酎にはクエン酸を多く造り出す黒麹と白麹が必要とされます。
A 黒麹の突然変異で出来た白麹は、主に九州全域で使用され、
黒麹は、学名「アスペルギルス・アワモリ」と呼ばれ沖縄の泡盛焼酎に使われます。
B 黒麹を使用した焼酎は、白麹に比べ芳醇な味わいがあり、通の人に喜ばれます。
<芋焼酎の誕生>
琉球を経てサツマイモが鹿児島に伝来したのは、1605年。
栽培が定着した時期は、1705年頃。
そして、焼酎造りが始まったのは、1700年半ば頃。
美味しいお湯割り
@ 一般的な飲み方
その一 美味しい水を沸かす。(水道水に備長炭を入れ、カルキ抜きする方法もあります)
そのニ 湯のみに美味しいお湯を注ぐ。
その三 焼酎を注いで出来あがり。
A 一番美味しい飲み方
その一 お好きな本挌焼酎1升と空の1升瓶を用意。
そのニ 焼酎と水が6:4の水割りを2本作る。
その三 2〜3日寝かせる。
その四 後は、日本酒と同様。
料理との相性
結論から言えば、蒸留によって糖分ゼロの本挌焼酎は全ての料理に合います。
坊津の旅館での夕食は、全て魚料理三昧でした。
酒は、芋焼酎の熱燗。
さしみ・天ぷら・フライ・酢の物などといった料理と全てマッチングしました。
特にと言えば、お肉料理が一番かと思います。
沖縄の代表料理、ラフテー(沖縄豚角煮)がその良い例です。
脂っこい中華料理とも良いです。
その他に、いわしの丸干し(地元ではガランツ)、さつまあげ、鶏さし
ゴーヤーチャンプルー等。
本挌焼酎と健康
ガンより怖い血栓症の予防に!!
血栓症に関する研究を専門にしている倉敷芸術科学大学教授・須貝洋行氏が
研究を続けていくうちに、本挌焼酎が血栓症の予防に効果がある事を発見。
すなわち、本挌焼酎には血栓溶解酵素の分泌能力を高める働きがあった。
| 飲酒の種類 | 実験者数 | 血栓融解酵素活性 |
| 飲 用 せ ず | 113 | 478 |
| 本挌焼酎を飲酒 | 62 | 1,160 |
| 清酒を飲酒 | 32 | 855 |
| ワインを飲酒 | 37 | 801 |
| ビールを飲酒 | 41 | 712 |
| ウイスキーを飲酒 | 18 | 510 |
連続蒸留により純粋なアルコールに近くなった甲類焼酎などは、
ほとんど効果が見られないそうである。
かごしま文庫 「鹿児島の本挌焼酎」 春苑堂出版から引用